人工知能・機械学習・データ解析技術をビジネスに生かしたいとお考えの民間企業の皆様へ
ビジネスの現場で先進的なデータ利活用の課題をお持ちの企業の方、是非、その課題をお聞かせください。
(京都大学 情報学研究科 知能情報学専攻 教授 鹿島 久嗣)
データ解析技術は、競争力に結び付く技術
今世紀初頭にかけて進んだいわゆる「IT革命」以降、情報通信システムによる業務効率化に伴い、様々な形式のデータの蓄積や利用が可能になった現在、
各企業の関心は「データをどのようにビジネス上の優位性や、自社製品やサービスの付加価値に結び付けていくか」にあると言えるでしょう。
いわゆるGAFAと呼ばれるネット時代の覇者然り、データ解析に基づく自動的な意思決定、
もしくは意思決定支援などのデータ利活用は、ビジネスにおける差別化のカギとして広く認識されつつあります。
巷を賑わせている第3次人工知能ブームも、その中核技術はデータ解析であり、本質的にはビッグデータやIoTなどの近年の潮流の延長上にあるといえるでしょう。
データ利活用の例としては、以下のようなものが考えられるでしょう:
- データをもとに科学的なビジネス意思決定を行いたい
- 顧客の売上データから顧客の購買行動を予測し適切な顧客ターゲティングを行いたい
- 人事・購買・財務などのデータをもとに、社内施策の策定やビジネスプロセスの改善を行いたい
- データ解析技術を組み込んだ先進的な知的システムもしくはサービスを実現したい
- 機械、生産ラインなどの複雑な挙動を示すシステムの異常や故障を早期に発見したい
- Web上のユーザーの行動から、その未来の行動を予測し、適切な情報推薦を行いたい
データ解析技術は、広範な適用領域と差別化のカギとなる可能性を秘めた、これからのビジネスになくてはならない技術ですが、
その一方で、いまだに属人性・専門性の高い技術であり、正しいデータ利活用には相応の知識と経験をもった専門家の助けが必要です。
これらは一朝一夕に身につけられるものでもないことは、昨今の深刻なデータサイエンティストやAI人材の不足からも伺い知ることができます。
データの利活用には、データをいかに集めるか(データ収集の仕掛け)とデータからいかに価値を引き出すか(データ解析とこれに基づく意思決定)の両輪で取り組む必要があります。
我々の研究室では、長年にわたり、データ利活用の方法論から、その先進応用、さらには人間系までも含めた系の設計に至るまで、幅広く研究開発に取り組み、世界レベルでの研究成果を上げています。
とりわけ、以下のような課題に強みを持っています:
- 予測モデリングに基づく意思決定
予測はデータ利活用の典型例のひとつであり、データに対するなんらかの定量的な予測を行う(例:ある顧客がある商品を購入するかどうかを予測する)ため、予測の結果がそのまま意思決定に結びつきやすいという特徴があります。
また、予測モデリングにおいては、予測精度の向上が大きな目的のひとつであり、1%の予測精度向上が、そのままコスト削減や、利益向上などの効果に結びつきやすいという特徴もあります。
予測モデリングは我々が特に得意とするところでもあり、ヘルスケア、材料科学、教育、バイオ・創薬、Webマーケティンク゛、交通、特許など様々な分野のデータの解析経験と成果を有しています。
- 人間系と融合したデータ利活用システム
最近では深層学習という魔法の箱によってデータ解析が自動化され、ひとりでに問題を解決してくれるという期待をもつ人も居ますが、残念ながら実際のデータ利活用プロセスはもっと複雑で煩雑であり、自動化できるのは約2割程度とも言われています。
データの利活用を考えるとき、データの収集や洗練、解析や解釈を含む人間系と切り離して考えることは不可避です。
我々はヒューマンコンピュテーションやクラウドソーシングといった考え方に基づく、人間系も含めたデータ利活用プロセスの設計の方法論と経験を有しています。
最先端のデータ解析技術をもった専門家である我々に、データ解析の課題をお聞かせください。
我々は、常に現実世界のニーズをとらえた新しいテーマ、チャレンジングな問題を発見したいと願っています。
具体的な取り組み方としては、例えば以下のような形が考えられます:
- 共同研究:実課題を抽象化した新しい技術の開発。オリジナリティの高いデータを用いたPoC。
技術指導・コンサルティング:社内プロジェクト・案件の技術指導・レビュー。社内で実施されているAI・機械学習技術や先進的なデータ解析事例のトップカンファレンス論文化指導
これまでに、製薬・化学・自動車・航空・流通・電機・マーケティング・ITなど、様々な分野での共同研究・技術指導等を行っています。
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